インバーター設置・配線の基本|現場でおさえておきたいポイントを解説

基礎知識

「インバーターを設置するとき、どんな点に気をつければいいの?」

「配線のやり方がよくわからない…」

こんな悩みを持つ現場の方のために、インバーターの設置・配線で知っておくべき基本ポイントをまとめました。

インバーター設置時の基本ルール

① 設置環境の確認

インバーターは熱に弱い精密機器です。以下の環境条件を必ず確認しましょう。

・周囲温度:-10〜40℃以内(機種により異なる)

・湿度:90%RH以下(結露なきこと)

・直射日光・腐食性ガス・粉塵が当たらない場所

工場内では、鋳造・溶接・塗装ラインなど、粉塵や腐食ガスが多い場所への設置は特に注意が必要です。密閉型の制御盤に収める、または防塵・防腐対応機種を選ぶ必要があります。

② 取付方向と冷却スペースの確保

インバーターは原則として「縦向き(端子台が下、冷却フィンが上)」に取り付けます。

横向きや逆向きの設置は冷却不良の原因になります。

冷却のための上下・左右の隙間(クリアランス)も必ず確保してください。目安は上下100mm以上、左右50mm以上ですが、機種のマニュアルに従いましょう。

③ 複数台を並べる場合の注意

複数台のインバーターを横に並べて設置する場合、各機器の発熱が隣のインバーターに影響します。

制御盤内の温度が上がりすぎないよう、冷却ファンや換気口の設置、または制御盤サイズの余裕を持った選定が重要です。

インバーターの配線基礎知識

インバーターの端子は大きく「主回路端子」と「制御回路端子」に分かれます。

主回路端子(パワー系統)

主回路端子はモーターに電力を供給する太い配線がつながる端子です。

【R・S・T(または L1・L2・L3)】:電源入力端子。商用電源(三相200Vまたは400V)を接続します。

【U・V・W(または T1・T2・T3)】:モーター出力端子。ここからモーターへ配線します。

【P・N または P1・P・N】:直流母線端子。制動抵抗器や回生ユニットを接続する際に使用します。

絶対に守るべき注意点は「R・S・TとU・V・Wを絶対に逆接しない」ことです。電源をU・V・Wに接続するとインバーターが破損します。

制御回路端子(信号系統)

制御回路端子はPLCや外部スイッチからの「動かせ・止まれ」信号や「速度指令」を入力する端子です。

【STF・STR(または FWD・REV)】:正転・逆転指令入力端子

【2・4(または AI1・AI2)】:アナログ速度指令入力端子(0〜10Vまたは4〜20mA)

【RUN・FU(または OUT1・OUT2)】:異常出力・運転中出力などの信号出力端子

制御回路の配線はできるだけ主回路配線と分離して配線するのが原則です。同一ダクト内に混在させると、ノイズによる誤動作の原因になります。

ノイズ対策の基本

インバーターは動作原理上、高周波ノイズを発生させます。このノイズが他の機器に影響を与えることがあります。

主なノイズ対策は以下の通りです。

・インバーターとモーター間はシールドケーブルを使用する

・シールドは適切に接地(アース)する

・ノイズフィルター(EMCフィルター)をインバーター入力側に設置する

・制御ケーブルと動力ケーブルを別ダクト・別経路で配線する

アースの重要性

インバーターのアース(接地)は非常に重要です。

・感電防止のため、インバーター本体のアース端子(E または ⏚)は必ず第三種接地(D種接地)以上で接地します。

・アース線は他の電気機器と共用しないことが原則です。共用するとノイズが他の機器に影響します。

まとめ

インバーターの設置・配線で最重要なポイントをまとめます。

・設置環境(温度・湿度・粉塵)と冷却スペースを確保する

・主回路(R/S/T→電源、U/V/W→モーター)の逆接は厳禁

・制御配線と動力配線は必ず分離する

・ノイズ対策とアースを適切に施す

これらの基本を守ることで、インバーターを安全・安定して運用できます。不明点は必ずメーカーの取扱説明書を確認してから作業を行いましょう。

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