【シリーズ第4回】ラダー図の読み方|カウンター回路(CTU)をわかりやすく解説

基礎知識

PLCやシーケンサーのラダープログラムを学んでいると、必ず登場するのがカウンター回路です。「何回動作したら次へ進む」「一定数を数えたら出力をONにする」といった制御は、現場の自動化に欠かせません。

このシリーズでは、ラダー図の読み方を基礎から順番に解説しています。第1回では基本記号と回路の見方、第2回では自己保持回路、第3回ではタイマー回路(TON)を取り上げました。今回の第4回では、カウンター回路(CTU:Count Up)について、しくみと読み方をわかりやすく解説します。

カウンター回路(CTU)とは?

カウンター回路とは、入力信号が入るたびに内部のカウント値を1ずつ増やし、設定値(プリセット値)に達したときに出力をONにする回路です。

三菱電機のシーケンサーでは C(カウンタ)デバイス が使用されます。ラダー図上では「CTU」や「C」という命令として表現されます(メーカーによって記号が異なる場合があります)。

代表的な使用例としては次のようなものがあります。

  • 製品を10個カウントしたらコンベアを停止する
  • ボタンを3回押したらアラームを鳴らす
  • 射出成形機のショット数を管理する

ラダー図のCTU回路の基本構成

カウンター回路のラダー図は、主に以下の要素で構成されます。

要素役割
カウントアップ入力(CU)この接点がONになるたびにカウント値が+1される
リセット入力(R)この接点がONになるとカウント値が0にリセットされる
プリセット値(PV)何回カウントしたら出力をONにするかの設定値
現在値(CV)現在のカウント数(モニタで確認可能)
出力接点(C○○)カウント値がPV以上になるとONになる接点

ラダー図の読み方:CTU回路の例

以下にシンプルなCTU回路の例を示します。

【カウントアップ回路】
 ┤X0├──────────────────────(CU C0 K5)

【リセット回路】
 ┤X1├──────────────────────(R  C0)

【出力回路】
 ┤C0├──────────────────────(Y0)

この回路の動作を順に読み解くと、次のようになります。

  1. X0がONになるたびにC0のカウント値が1ずつ増える(K5はプリセット値=5回)
  2. X0が5回ONになるとC0の出力接点がONになる
  3. C0がONになるとY0(出力)がONになる
  4. X1がONになるとC0のカウント値が0にリセットされ、C0接点もOFFになる

ポイントは、X0の立ち上がり(OFF→ON)の瞬間にカウントが進む点です。X0がずっとONのままでもカウントは1しか進みません。

CTU回路でよくある間違い

カウンター回路を初めて扱うときに陥りやすい失敗を紹介します。

① リセット回路を入れ忘れる

カウンターはリセットしない限り、電源を入れ直しても以前のカウント値を保持するものがあります(保持型カウンタ)。リセット回路は必ず組み込む習慣をつけましょう。初期化のタイミングは、電源投入時(M8002などの初期パルス)やサイクル完了後などが一般的です。

② 同じ入力接点を使い回す

カウントアップ入力とリセット入力に同じ接点を使ってしまうと、カウントとリセットが同時に起きて正常に動作しません。それぞれ別のデバイスを割り当てましょう。

③ プリセット値を超えてカウントが止まらない

CTU(カウントアップ)は設定値に達してもカウントを止めません。出力がONになった後も入力が入ればカウント値は増え続けます。必要に応じてリセット条件を適切に組むことが重要です。

現場での応用例:製品の個数カウント

実際の生産ラインではどのように使われるか、具体的なシーンを見てみましょう。

たとえば、コンベア上を流れる製品をフォトセンサー(X10)で検知し、10個ごとにストッパー(Y10)を動作させて製品を止めるケースです。

【カウント回路】
 ┤X10├─────────────────────(CU C10 K10)

【リセット回路】
 ┤X11├─────────────────────(R  C10)
  ※X11:手動リセットボタン

【ストッパー出力】
 ┤C10├─────────────────────(Y10)

この回路では、製品が10個通過するとC10がONになり、ストッパーY10が動作して製品を止めます。作業者がリセットボタン(X11)を押すと再びカウントが始まります。シンプルですが、現場でよく見かける典型的な回路です。

CTDとCTUの違い(カウントダウンとの比較)

カウンター命令にはCTU(カウントアップ)のほかに、CTD(カウントダウン)もあります。

命令動作主な用途
CTU入力のたびに+1。設定値でON個数カウント、ショット数管理
CTD入力のたびに-1。0になるとON在庫管理、残数カウント

現場では圧倒的にCTU(カウントアップ)の使用頻度が高いですが、「何個残っているか」を管理したい場合はCTDが有効です。

まとめ

今回はラダー図シリーズ第4回として、カウンター回路(CTU)の基本とラダー図の読み方を解説しました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • CTUは入力のたびにカウント値が+1され、設定値に達すると出力がONになる
  • リセット回路は必ずセットで組み込む
  • カウントは入力の立ち上がり(OFF→ON)で進む
  • 設定値に達してもカウントは止まらないため、リセット条件の設計が重要
  • 製品個数カウントやショット数管理など、現場でよく使われる回路

ラダー図を読めるようになると、設備トラブルの原因特定や改善提案がぐっとしやすくなります。次回のシリーズ第5回では、さらに実践的な応用回路を取り上げる予定です。ぜひ継続してチェックしてください!

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