PLCやシーケンサーのラダープログラムを学んでいると、必ず登場するのがカウンター回路です。「何回動作したら次へ進む」「一定数を数えたら出力をONにする」といった制御は、現場の自動化に欠かせません。
このシリーズでは、ラダー図の読み方を基礎から順番に解説しています。第1回では基本記号と回路の見方、第2回では自己保持回路、第3回ではタイマー回路(TON)を取り上げました。今回の第4回では、カウンター回路(CTU:Count Up)について、しくみと読み方をわかりやすく解説します。
カウンター回路(CTU)とは?
カウンター回路とは、入力信号が入るたびに内部のカウント値を1ずつ増やし、設定値(プリセット値)に達したときに出力をONにする回路です。
三菱電機のシーケンサーでは C(カウンタ)デバイス が使用されます。ラダー図上では「CTU」や「C」という命令として表現されます(メーカーによって記号が異なる場合があります)。
代表的な使用例としては次のようなものがあります。
- 製品を10個カウントしたらコンベアを停止する
- ボタンを3回押したらアラームを鳴らす
- 射出成形機のショット数を管理する
ラダー図のCTU回路の基本構成
カウンター回路のラダー図は、主に以下の要素で構成されます。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| カウントアップ入力(CU) | この接点がONになるたびにカウント値が+1される |
| リセット入力(R) | この接点がONになるとカウント値が0にリセットされる |
| プリセット値(PV) | 何回カウントしたら出力をONにするかの設定値 |
| 現在値(CV) | 現在のカウント数(モニタで確認可能) |
| 出力接点(C○○) | カウント値がPV以上になるとONになる接点 |
ラダー図の読み方:CTU回路の例
以下にシンプルなCTU回路の例を示します。
【カウントアップ回路】
┤X0├──────────────────────(CU C0 K5)
【リセット回路】
┤X1├──────────────────────(R C0)
【出力回路】
┤C0├──────────────────────(Y0)
この回路の動作を順に読み解くと、次のようになります。
- X0がONになるたびにC0のカウント値が1ずつ増える(K5はプリセット値=5回)
- X0が5回ONになるとC0の出力接点がONになる
- C0がONになるとY0(出力)がONになる
- X1がONになるとC0のカウント値が0にリセットされ、C0接点もOFFになる
ポイントは、X0の立ち上がり(OFF→ON)の瞬間にカウントが進む点です。X0がずっとONのままでもカウントは1しか進みません。
CTU回路でよくある間違い
カウンター回路を初めて扱うときに陥りやすい失敗を紹介します。
① リセット回路を入れ忘れる
カウンターはリセットしない限り、電源を入れ直しても以前のカウント値を保持するものがあります(保持型カウンタ)。リセット回路は必ず組み込む習慣をつけましょう。初期化のタイミングは、電源投入時(M8002などの初期パルス)やサイクル完了後などが一般的です。
② 同じ入力接点を使い回す
カウントアップ入力とリセット入力に同じ接点を使ってしまうと、カウントとリセットが同時に起きて正常に動作しません。それぞれ別のデバイスを割り当てましょう。
③ プリセット値を超えてカウントが止まらない
CTU(カウントアップ)は設定値に達してもカウントを止めません。出力がONになった後も入力が入ればカウント値は増え続けます。必要に応じてリセット条件を適切に組むことが重要です。
現場での応用例:製品の個数カウント
実際の生産ラインではどのように使われるか、具体的なシーンを見てみましょう。
たとえば、コンベア上を流れる製品をフォトセンサー(X10)で検知し、10個ごとにストッパー(Y10)を動作させて製品を止めるケースです。
【カウント回路】
┤X10├─────────────────────(CU C10 K10)
【リセット回路】
┤X11├─────────────────────(R C10)
※X11:手動リセットボタン
【ストッパー出力】
┤C10├─────────────────────(Y10)
この回路では、製品が10個通過するとC10がONになり、ストッパーY10が動作して製品を止めます。作業者がリセットボタン(X11)を押すと再びカウントが始まります。シンプルですが、現場でよく見かける典型的な回路です。
CTDとCTUの違い(カウントダウンとの比較)
カウンター命令にはCTU(カウントアップ)のほかに、CTD(カウントダウン)もあります。
| 命令 | 動作 | 主な用途 |
|---|---|---|
| CTU | 入力のたびに+1。設定値でON | 個数カウント、ショット数管理 |
| CTD | 入力のたびに-1。0になるとON | 在庫管理、残数カウント |
現場では圧倒的にCTU(カウントアップ)の使用頻度が高いですが、「何個残っているか」を管理したい場合はCTDが有効です。
まとめ
今回はラダー図シリーズ第4回として、カウンター回路(CTU)の基本とラダー図の読み方を解説しました。要点をまとめると以下のとおりです。
- CTUは入力のたびにカウント値が+1され、設定値に達すると出力がONになる
- リセット回路は必ずセットで組み込む
- カウントは入力の立ち上がり(OFF→ON)で進む
- 設定値に達してもカウントは止まらないため、リセット条件の設計が重要
- 製品個数カウントやショット数管理など、現場でよく使われる回路
ラダー図を読めるようになると、設備トラブルの原因特定や改善提案がぐっとしやすくなります。次回のシリーズ第5回では、さらに実践的な応用回路を取り上げる予定です。ぜひ継続してチェックしてください!



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