~現場で知っておきたいボルト強度の基本~
設備の組立や保全作業では、ボルトを交換する場面がよくあります。
そのときボルトの頭に
- 8.8
- 10.9
- 12.9
などの数字が刻印されているのを見たことはないでしょうか。

これはボルトの強度区分を表しています。
ボルト強度を理解せずに交換してしまうと
- ボルト破断
- 緩み
- 設備破損
につながる可能性があります。
今回は
- ボルト強度区分とは
- 8.8と12.9の違い
- 現場での使い分け
を解説します。
ボルト強度区分とは
ボルト強度区分とは
ボルトがどれだけの力に耐えられるかを示す規格
です。
ボルトの頭に刻印されている数字で判断できます。
例
| 刻印 | 強度区分 |
|---|---|
| 8.8 | 一般的な機械用ボルト |
| 10.9 | 高強度ボルト(ハイテンション) |
| 12.9 | 超高強度ボルト |
数字が大きいほど強度が高いボルトになります。
強度区分の数字の意味
強度区分の数字には意味があります。
例えば 8.8ボルト の場合
- 最初の数字(8)
→ 引張強さ 800MPa - 次の数字(.8)
→ 降伏点は引張強さの 80%
という意味になります。
つまり
強度区分 = 引張強さと降伏強さを表している
ということです。

引っ張り強さ800MPaは1㎟の面積当たり800Nくらいの力が耐えられるという意味
強度区分8.8でも十分強いですね
8.8ボルトの特徴
8.8ボルトは最も一般的に使用されるボルトです。
特徴
・強度とコストのバランスが良い
・多くの設備で使用される
・入手しやすい
主な使用例
- モーター固定
- 架台固定
- 一般設備
設備保全では最もよく使われるボルトです。
商社にて指定なしで購入した場合はよっぽど8.8のボルトが納品されます
12.9ボルトの特徴
12.9ボルトは非常に強度の高いボルトです。
特徴
・高い引張強度
・高負荷設備で使用
・衝撃荷重に強い
主な使用例
- 金型固定
- 高負荷機械
- 工作機械
ただし注意点として
硬くて折れやすい性質もあります。
事故などで折れた後、全然取れません。
エキストラクターを使用するためドリルで穴開けを行おうとしても
なかなか穴も開かないくらいの強度になります
8.8と12.9の違い
| 項目 | 8.8ボルト | 12.9ボルト |
|---|---|---|
| 強度 | 標準 | 非常に高い |
| 用途 | 一般設備 | 高負荷設備 |
| 価格 | 安い | 高い |
| 破断 | 粘りがある | 硬く折れやすい |
つまり
強度が高ければ良いというわけではありません。
設備設計に合わせた強度選定が重要です。
迷ったら8.8を使用するようにしましょう
粘りもあり扱いがとても簡単です
折れたとしても工具を使用することで簡単に取れます
間違ったボルト交換の例
現場でよくあるミスがあります。
例
「折れたから強いボルトに交換」
一見正しそうですが、場合によっては
- 部品破損
- ネジ山破壊
につながることがあります。
ボルトは
設計された強度で使用することが重要です。
まとめ
ボルト強度区分はボルトの強さを表しています。
代表例
- 8.8 → 一般設備用
- 12.9 → 高強度設備用
設備保全では
ボルトの強度区分を確認して交換することが重要です。
現場ワンポイント
ボルト交換時は次の3つを確認しましょう。
- ボルトサイズ
- 強度区分
- 締め付けトルク
この3つを守るだけでも
ボルトトラブルを大きく減らすことができます。



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